紀行
2023年夏に向けて 〜 八王子芸妓衆と野口染物店の夏きもの Vol.5
<2023年6月15日更新>
2023年夏に向けて 〜 八王子芸妓衆と野口染物店の夏きものVol.4から続く・・・
日本橋「竺仙」の染物を手掛ける八王子「野口染物店」。
同じく八王子「八王子芸妓衆」。
そして我々「荒井呉服店」が2023年夏に向けて取り組んでいる伝統染色技法「長板中形」で染める夏きものの制作。
生地の表裏。ぴたりと柄を合わせる事で、藍と白のコントラストがいっそう明快に美しく映える「長板中形」。梅雨真っ只中の7月上旬。染め上がった「長板中形」を芸妓衆にいよいよご覧頂くことに。。。
<染め上がった反物>
<染め上がった反物を手に取る”恵美寿家 - あやめ"さん>
今回染めて頂いたのは全5型。
当初は芸妓衆全員お揃いで、という事で型紙を選定していたが、同じ型は続けて使用する事で目詰まりを起こす可能性もある為、幾柄か予備を選定。こうした制作上の都合を直接伺えたのも本企画の醍醐味で、揃いの浴衣がほとんど「注染」なのは何故か、その理由を知って頂く機会にもなった。
選んだ型紙はどれも良い柄だが、今回制作工程をご紹介するにあたっては「菱柄」を追い続けた。
芸妓衆も誰がどの柄を着るか、これから会議を行う予定だそう。(喧嘩しないで下さいね)
<染め上がった反物はどれも素敵な仕上がり>
<悩み、吟味する芸妓衆と当店店主>
<制作中のエピソードを話す野口さんと聞き入る芸妓衆と当店店主>
<”竺仙専属工場”の看板を手にする野口さん。その表情は誇らしげである>
<芸妓として駆け出しの頃の"ゆき乃恵 - めぐみ”さん。着ているのは野口染物店の長板中型である。本企画はこの写真から始まった>
2022年夏から始まったこの企画もいよいよ終盤に。
八王子芸妓の皆さんと共に行った型紙選び、そして各制作工程の見学。
「長板中形」という伝統染色技法に触れて頂くと共に、何よりも同じ地元八王子で伝統文化に携わる者同士で「野口染物店」の仕事を直に知り、改めて交友を深めたのはとても意義のある事だった。
染め上がった反物は私ども荒井呉服店がお預かりしてお仕立てに。
実際に芸妓衆にお召し頂きお披露目となるのは、来る7月29日(土)に八王子市中町にございます『桑都テラス』にて開催されます<八王子芸妓衆によるお披露目イベント>にて。
乞うご期待頂きまして、実際の着姿をご覧にイベントへお越し下さい。
<八王子芸妓衆によるお披露目イベント詳細>
日程:2023年7月29日(土) 14:00〜
場所:桑都テラス 八王子市中町11-8
桑都テラスHP:https://sototerrace.com
photo&text Ryusuke Ishige
一覧へ戻る